2015.11.12 update
正直に言って、誰にでも勧められるタイプの
映画ではありません。
映画に心地よさを求める人や、
ストーリーを中心に映画を見る人には、
辛い気持ちになってしまう類の作品だと思います。
それでも、もしあなたが、
新しい映画への好奇心があるのなら、
「闘犬」という異文化に興味関心を持っているのなら、
心に残る美しいシーンを観たいと願っているのなら、
ぜひ一度、チャレンジしてもらいたい映画なのです。
トルコの小さな村にいる、少年と闘犬の物語。
人間の残酷さや弱さも赤裸々にとらえ、
心を通わせていく美しさだけではない
厳しい世界での生きざまを見せつけてきます。
この映画がデビュー作となるカアン・ミュジデジ監督には、
はっきりと伝えたいメッセージがあるようです。
「動物は決して他の動物に暴力を振るいません。
ライオンが他の動物を殺すのは食べるためであって、
暴力のためではないんです。
でも人間は女性や動物に対して暴力を振るいます。
そのような暴力的な性質が、
いつか人間の中からなくなる日が来ることを願っています。」
この言葉に心が動いた方は、
ぜひ映画館へ足を運んでみてはいかがでしょうか?
闘犬シーンの撮影でも、
犬を暴力にさらすようなことは一切してないそうなので、
犬好きのみなさんも、どうぞご安心ください。
この映画の感動は、
日常生活に戻ってから、ジワジワとやってきます。