2016.01.15 update
人間の行動や意識が内へ内へと向かっていく冬には、
怪奇・幻想・ホラー要素の強いダークファンタジーがぴったり。
（ホラー系が苦手な人を除いて）
本作は、恐怖と美しさが表裏一体で、
背筋が凍りつきながらも目が離せない、
この季節にぴったりな1本。
監督は、世界の映画賞を総なめにした、
あの『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ。
と言えば、
どんなタッチの作品かおわかりいただけるでしょうか。
今回も自身の中にあるヴィジュアル・イメージを 100％具現化するべく、
衣装、美術、メイクに至るまで細部まで徹底的にこだわり、
デル・トロ・ワールドを創出。
特に物語の要とも言える広大な屋敷は、
6ヶ月かけてセットで建ててしまうほどの力の入れよう。
デル・トロが求めたのは＂呼吸をしているような屋敷＂。
ぜひこの巨大な屋敷は、大きなスクリーンで堪能してもらいたい。
それにしてもミア・ワシコウスカという女優さんは、
ダークな内面を持った役を演じさせると天下一品です。
そしていずれも、作品としての完成度が高い気がします。
ミアの憂いを感じさせるミステリアスな雰囲気が、
監督のイマジネーションを最大限に発揮させている、
ということなのでしょうか。
絵画のように美しいダークファンタジーを、
真冬のこの時期にご覧になってみてください。
ただ「怖ろしくも美しい秘密」を知ってしまったとき、
背筋が凍るほどの戦慄が走ることだけは、
覚悟しておいてください。
