2016.10.18 update
昨日まで当たり前にあったものも、
ある日突然なくなってしまう。
そんな誰にでも起こりうる、しかし悪魔的に恐ろしい出来事を、
繊細な心理描写で描いた作品。
今回も西川監督らしく、人が心の奥にしまっておきたい心の闇を、
16mmフィルムのざらついた映像の中で、ぐいぐい抉ってきます。
そして、素晴らしいシーンはいっぱいあれど、
モッくんが自分の部屋の中で、
竹原ピストルと電話でしているシーンが特に秀逸。
これ、2回ありました。
窓の外から撮ってるので、何を喋ってるかはわからないのだけど、
動きと表情のみで感情を表現。
映画って観ている側に想像させた方が、
心に深く響くんですよね。
その辺りの映像とセリフのバランスが今回は素晴らしかったと思います。
力のある監督は、大事なシーンほど、セリフには頼らない。